2025年7月6日 よしだよしこLive

 7月6日(日)は、陽のあたる道小さな音楽会vol.199「よしだよしこLive vol.11」でした。2015年2月から毎年開催しているよしこさんのライブも11回目。最近は七夕前後の暑い中での開催です。

 

 この日はみなさんの集まりが良く、少し早めにスタート。最初はダルシマによる弾き語りで5曲。「座って弾くのは楽」と笑いながら話すよしこさんからは、4月に体調を崩されたことを微塵も感じさせません。途中からギターに持ち替えスタンディングに。外の猛暑とはうらはら、静謐ささえ感じさせる第一部でした。

 

 休憩中に「蔵出しCD」も完売。第2部は岡山の詩人・永瀬清子さんがらみの曲を2曲、ピピ&コット時代の思い出をまじえながらケメの『生活』と続き、1948年にアメリカからメキシコへ強制送還される移民を乗せた飛行機が墜落した事故を題材にウディ・ガスリーが詩を書いた『Deportee』。最後のフレーズで「追放の民」と歌うよしこさんは、まさしく「今」を歌っています。

 そして『クラウディオさんの手』。「難民、仮放免、難民申請、強制送還、そういう言葉が身の上そのものになっている人」のことをよしこさんが「知ってしまったことをうたうこと、そのことに二年近くかかってしまいました。」とnoteに書かれていますが、この長いバラッドを聴く私たちには"想像力”が求められていると感じました。

 それは『てっちゃん』についても同じ。ハンセン病の回復者であり詩人の桜井哲夫さん(てっちゃん)と友だちだったら、とつくられた歌。てっちゃんと一緒に小田急線に乗って下北沢に向かう自分を想像してみる、そこから始まる気がする。

 

  アンコールでは、1971年にノーベル文学賞を受賞したチリの詩人パブロ・ネルーダの詩を笠木透さんが訳した『おいで一緒に(山と川)』のボーカルをよしこさんにお願いし、「どんべえとその七味」がコーラスで参加させていただきました。『クラウディオさんの手』と「チリ」でつながったのは偶然でしたが。

 そして最後に、前週の中川五郎さんが歌われたフィル・オクスつながりで『フォーチュン』を歌ってくださいました。

 2週続けて、日本の「今」を歌うフォークシンガーに陽のあたる道で歌っていただけたことは、この上ない光栄なことでした。

 

  よしだよしこさん、本日はありがとうございました。そしてご来場の皆さま、暑い中をお集まりいただきありがとうございました。